行政書士を目指す社会人のための勉強法ブログ

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*社会人の資格勉強法-行政書士* 勉強の気分転換に京都まで行ったバカの話

みなさんこんにちは、堂本です。
もうけっこう前ですが、響けユーフォニアムというアニメが放送されていたのをご存じですか?

私はこの頃そこそこ悩んでいたのですが、たまの休みを利用して京都の宇治まで行ってきました。

行政書士の試験勉強をされる中で、日々色々悩まれる方もいるのでは?と思い、自分が悩んでいた頃の別のブログの日記をここにのせてみます。なにか通じるものがあれば幸いです。


(以下本文)

部屋の壁時計の針が午後五時を指したとき、僕は布団から飛び上がるようにしておきた。


嘘だろ、もう五時かよ、うぅむ、すでに手遅れか?


そんな僕の心の声を以前の先輩の言葉が制止する。


「人生万事、今が最速!思い立ったこの瞬間より早いときはないねん!」


確かにその通りですが、それなら最速じゃなく最早なのでは?いやでもこれって漢字で書いたら「もはや」じゃないか。日本語って難しい。








結局僕は行くことにした。


環状線で大阪より先に行く経験はほとんどなかった。京橋で下車。階段をのぼっておりて、長い道のりを歩くこと数分、京阪京橋に到着。そしてその瞬間、環状線の出口を間違わなければ10秒でここまでこれたことに気付く。


自分的には京阪に乗ったらあとはこっちのもん的な思惑があったんだが、ここからがなかなか遠かった。中書島まで特急でも30分、さらにここから乗り換える宇治線はすべての電車が各停、まさに踏んだり蹴ったり。何これ、京橋から先の方が遠いじゃん。赤みがかる空、蓄積されるふくらはぎの疲労、こみあげるこんなはずじゃなかった感。


想像以上の遠さに何回かマジで来るんじゃなかったと思った。


それでも、持ってきた三冊の本を読みながら時々目の前を通り過ぎていく知らない景色に少しずつ心が動かされていった。樟葉を通過。父母が僕が生まれる前に住んでいたところだ。当時の二人にとって30年後の自分たちってどんな風に想像されてたんだろう。まあいいけど。




ネットでも話題になっていたが、京阪宇治駅の再現度の高さには驚かされ、うぅわこのエスカレーター知ってる!知ってる!ってなった。いい年した大人がテンションあがってニヤニヤしている光景はさぞ周りの人にとって不気味だったろう。


そしてこういうとき、なぜか周りの一人歩きの男性がみんな自分と同じ目的で来たように見えるので不思議だ。なんだろう、罪悪感というか気恥ずかしさというか、遠出した町で怖い先輩に会いたくないと思ってたらみんなその先輩に見えてくるみたいな?そんな感じ。


謎ステップより謎の微笑みの交差点も、サイゼリアも、名前知らんけどあのごっつい長い橋も、全部初めてみたのに見たことがあるような気がした。ここを歩いていたら本当にみんなに会えるんじゃないだろうか、とか、そんな風に思ってしまう。

 

はいオタクですね完全に。


でも子どものときって、みんな物語の中に入りたいって思ってるもんじゃないだろうか。大好きなアニメのパラレルストーリーを妄想の中で勝手に展開したり、突然物語の重要なシーンに自分が登場したり、好きなキャラクターオールスターワールドを構築したり、みんな結構そういうの好きなんじゃないか。まあこんな時間から一人で電車で二時間近くかけてわざわざ来るというのはかなり変だと思うけど、別にいいじゃんって気になってきて考えるのをやめた。


失礼ながら、田舎の虫の多さには驚いた。蛾でも蚊でもない大きめのみたことない細い虫が駅前の並木の周りを中心にぶううああああって飛び回ってた。交差点を渡って宇治神社に行く細い道を進んでいくと虫の数もサイズもレベルアップしていく。なんじゃこりゃ、ダンジョンみたい。時々虫が多すぎて体をかがめないと通れないところが何か所もあった。これ本当。



有名ななんとか川から宇治神社の前を通った。もうすでにあたりが暗くなってきていたけど、雨宿りのシーンの手洗い場とか、なんとか橋も見れた。お話に登場した場所を通るときはしばらく立ち止まってぼーっとする。ここって何のシーンに使われてたとこだっけって思い出しながらぼーっと見つめる。



もすこし行くと川の方からバチバチバチバチって花火みたいな音が耳に入ってきた。蚊を集めて罠にかけるあの静電気の箱みたいなやつがあって、

そこに無数の虫たちがつっこんで火花を散らしてなんかすごいことになってた。

時々虫がチリチリ燃えてるのも見えた。マジか。こんな世界もあったのか、大阪在住の僕には知りえないことがたくさんあるんだなぁ。



橋を渡って少しいくと平等院があって、そこから少しで久美子たちがいっつも座ってるベンチについた。虫が多すぎて座る気になれなかったけどちゃんとポンプ室も確認して満足できた。



それにしてもこのすれ違う細かい埃のようなもの、全部コバエみたいなちっちゃい虫なんだよな、もう慣れたわ。よけるのもめんどうになってきて背筋をぴんとのばして歩くと顔に粉っぽい感触が生まれては消えまた生まれては消えした。巡回してるっぽいおっさんがさっきから同じところをいったり来たりしている僕を怪訝そうに見つめていたが、辻斬りは勘弁してやることにした。


それにしてもすみからすみまで再現度が高すぎていちいち感動した。前、たまゆらの竹原にいったときにはなかった感動だった。竹原はなんか薄暗くてじめじめしてて、物語の中の竹原と別の竹原だったから。でも今回はそんなんじゃなかった。自分もこの町で暮らしていたら、あんな青春物語の末席に加えてもらえていたんだろうかとそんな気になった。そんな気になったら自分のそこそこ充実してた青春物語が勝手に思い出されてきて、心底懐かしくなった。


僕は再度川を渡って宇治神社に向かうとちゅう、橋の中ほどで立ち止まった。さっき川のそばの石段のところでちちくりあってたカップルがいなくなっていて、よく見ると近くでのぞいてた禿げのおっさんもいなくなっていた。


大きく、息を吸って・・・


おおおおおおおおお~~~~~~~んぶルアァァァァァ、まああぁいふぅうぅぅぅ~~~~(波線はビブラート)


僕は人がいないのをいいことにJackie Evanchoやキャスリーン・バトルが歌う有名なアリアを全力で歌った。スマホで歌詞を見ながら橋の上で本気で歌うのは生まれて初めてだった。っていうか歌詞ずっと一緒じゃん、何これ。突然田舎に来るとなんかなにをしても恥ずかしくないような気になる。旅の恥はかきすてとはよく言ったものだ。それでも僕が右手にさげている紙袋の中にしまってある三冊の小説のタイトルは見られたくなかったけどね。


僕は宇治神社の前に戻ってきた。神社の前で僕は集中力を高める。ここから僕は物語の世界に入っていくのだ。


とか痛々しいことを考えてたとき後ろから車の音が聞こえたのでさっと身をかわす。田舎の車は勢いがすごいと聞いたことがある。結構近くで轟音がするのにいつまでたっても車が来ないので振り返ると、はるか向こうに見える京阪電車が橋を渡る音だった。



マジか…


僕の歌声はどこまで届いていたんだろうか。




二人が待ち合わせた宇治神社の階段を上る。そこから宇治上神社行く通路は大吉山への入り口になっている。ここがあの石畳か。これもすごい再現度だった。僕は雪女について考えたり青春18っぷについて話す二人を思い浮かべた。


この先が地獄だった。


大吉山の登山は想像をはるかに超えて超過酷だった。少なくともお話の中の道のりの軽く6、7倍はあったように思う。はじめは月明かりで自分の足元が見えていたのだが、上っていくにつれて足元どころか目の前の何も見えなくなって、スマホアプリのフラッシュライトを使った。フラッシュライトに何度も蛾が集まってきて、そのたびに僕はスマホを左右に振って奴らを追い払った。


同じようなみちを行って戻ってを繰り返しながら少しずつ上にあがっていくのだが、僕はこの途中少なくとも10回くらい二人の会話を脳内でループさせた。久美子って性格悪いでしょ、それって悪口?このあとなんだっけ、とか考えてたら何度かカメラをぶらさげたナスビみたいな体つきのオタク人とすれちがった。いいや、やっぱすれちがってない。


だんだんいやになってきて僕は走り出した。とっくに尺があまってきとんねん!さっさと頂上つけや!なめとんか!そんな気持ちで走り出した瞬間坂道が終わって、僕は勢いあまって近くのベンチにつっこみそうになった。そこはもう展望台で、思っていたよりスペースがせまかった。



絶景だった



宇治は都会じゃないので、光もまばらで、たとえば池袋サンシャインなんかから見える夜景とは全然違う。それでも、いろんなあかりがぽつぽつと見えて、ついでにいうと星空もきれいだった。



僕は久美子が麗奈と語らった石段に同じように腰を下ろして、意味もなくそこでぼーっとした。すぐそばの柵を見つめながらここで麗奈が言ったこと、本当に伝えたかったことについて考えた。
「お祭りの日に山に登るなんて馬鹿なこと、他のひとたちはしないよね」


職場と家とたまに通る梅田や天王寺が今の僕の生活の大半だったが自分の知らないところで知らないひとたちが、自分だけのストーリーを日々積み重ねているんだなぁと、そんな風に思った。そして僕にも、今の僕とは全く違った人生が何万通りもあり得たんだろうなと。


要するにゆるぎない存在だと信じきっている自分ってのもまた、本当に小さなことの積み重ねで今ここにいるわけだ、全然違う人格や肩書、友人や恋人をもった自分もいたかもしれないってことだよな、それってどんな奴だろ。僕は今の僕にそこそこ満足している。でももっと満足したい。特別でありたいし、自分がすべてをささげることのできる何かを見つけたい。



そういいながら今日は一分も勉強していない僕でした。



終わり、写真もつけようと思ったけどめんどいからもういい。

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんんんんぶらあああああああああああまあああああいふうううううううう