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行政書士試験-過去問の勉強法 *社会人の資格勉強法*

みなさんこんにちは、堂本です。

今回は過去問の進め方、具体的な勉強の仕方についてお話したいと思います。
 
おそらく過去問が勉強の中心だという受験生が多いと思いますが、それについての私の考え方も書いておくのでご参考ください。

1.過去問を解く目的とは
2.学習は単元ごとに、やり直しは肢ごとに
3.テキストに載っていない知識の問題はどれくらい大事?
4.合格レベルの過去問定着度はどれくらいか

 
1.過去問を解く目的とは

 

過去問について語る前に、合格に必要な知識とは何かについて考えてみたいと思います。

私は一言で言ってしまうと、テキストに載っている知識の8.5~9割くらいが身についていれば合格レベルといえると思っています。厳しい指導者の方だと、見たことのある知識は絶対に落とすな、的なことを言うみたいですが、テキストが完璧に頭に入っていればおそらくトップ合格すると思います。

 

それはさておき、前から順番にテキストを読んでいて、中身の9割近くが自動的に頭に入る方も少ないと思います。そこで過去問学習が重要になるわけですね。

 

少し前置きが長くなりますが、そもそも過去問は何のために解くのかについてご紹介したいと思います。

 

① 敵を知るため

これはよく言われることですが、世間的にかなり誤解されているキーワードに思えます。

 

この言葉の意味するところは単に、どんな問題が出るのかをなんとなく把握するという意味ではありません。「どれくらいのレベルの知識があれば過去問に解答できるのか」を具体的に知るということです。

 

時々テキストの隅っこの小さい字で書かれている事項まで全て覚えようとする方がいるのですが、明らかにオーバーワークです。ちなみに私でも全然覚えていません。

 

あるいは、表にまとまっている事項や行政法判例なども、全てを覚えている人はおそらくいないでしょう。

 

とは言いつつ、じゃあどこまで覚えたら良いかがテキストに書いているわけでもないですよね。こればかりは過去問を解いて感覚を掴むしかありません。つまり過去問を解く目的は、細かい知識をどこまで追うかを見極める意味があるということです。

 

②インプットの漏れを確認する

先ほどの話の続きになりますが、テキストを読み進めるだけで完璧にインプットできるわけではありません。

 

このブログではあくまでもテキストを中心に意識的なインプットを進めている方法をオススメしていますが、本を読んでいたら試験に合格してしまった!なんていう天才タイプでもない限り、なかなかそれだけで合格するのは難しいです。

 

インプットが勉強の表の作業だとすると、アウトプットは裏の作業として勉強を支えてくれます。そして大体効果的に記憶に残るのは間違えたときですよね。

 

「この知識はテキストのこの辺に載っていたな、でも間違えてしまった、悔しい!」という感覚は本当に大切です。こういった経験を積むことで、自分のインプットの不十分だったところをきちんと補強し、知識を強化していきます。

 

なお、逆の言い方をすると、ほとんどの問題が不正解になるようでは、過去問学習の効果は薄いです。「テキストをざっと通読した時点から過去問をやり始めろ、間違いまくっても気にするな」などと指導する人がいるようですが、致命的な時間と労力の無駄です。

 

もしそのような指導を受けている方がいれば、こちらのエントリーを参考にしてください。

 

kyoichirodmt.hatenablog.com

 

このブログで紹介している勉強法はテキストを使ったインプットを中心に組み立て、過去問などの問題演習は知識を定着させる手段として活用します。効果的な記憶というのは、あくまでもインプットに比重を置きつつ、インプットとアウトプットを絶妙に連携させることで可能になります。

 

 

③持っている知識を最大限活用して正解をひねり出す力をつける

少し斜めからの意見になりますが、ほかの国家試験に比べると、行政書士試験には悪問や奇問の類が多く出題されます。分かりやすく言えば「こんなの知るか」というような問題ですね。

 

試験対策的にはもちろん正解できなくても良いのでしょうが、全てをあきらめてしまうのは少しもったいないです。また、五肢択一式の問題で、全ての肢の正誤を自信を持って判断できることも滅多にありません。

 

つまり、ある程度知識があやふやだったり、未知の論点に遭遇した場合でも、持っている知識をフル活用して正解をひねり出す逞しさが必要になります。ある意味火事場の馬鹿力みたいなものですね。これは実際に問題を解かないと身についてこない力です。

 

その辺についても簡単に触れているエントリーがあるのでご紹介しておきます。

kyoichirodmt.hatenablog.com


2.学習は単元ごとに、やり直しは肢ごとに
 

 まず学習についてですが、単元ごとに細かく区切ってやるのをオススメします。

初めから最後まで一気にダーッと解いてしまう人が多いようですが、例えばLECさんのウォーク問は10年分ありますので、絶対に後半はうんざりしながら解いているはずです。そんな状態では効果的な勉強は臨めませんので、きちんと区切ってやりましょう。

 

また、前の項で、インプットとアウトプットをうまく連携させようとお伝えしました。読んだテキストの範囲を覚えているうちにやらないと、この連携は難しくなります。できれば5~10問、多くても10~20問ずつくらいに区切って進めることをオススメします。

 

次に、やり直し(間違い直し)の方法です。お分かりでしょうが勉強のメインはこのやり直しになります。ここで注意してほしいのは、やり直しというのは、間違えた問題をやり直すという意味ではないということです。

 

タイトルにもありますが、やり直しは肢ごとに行います。つまり、正解した問題も含めて、自信を持って正誤を判断できなかった肢を全て勉強しなおすということになります。

流れについて簡単にまとめていきます。

 

①自信の「有る無し」チェックと、見覚えの「有る無し」チェックをつける

まず解く段階で、自信を持って正誤を判断できたもの以外に何かしら印をつけておきます。

そして答え合わせをする際に、印の横でも上でも結構ですので、見覚えがあるかどうかを書き込んでおきます。テキストのこの辺に載ってたな、なんだっけ、くらいの覚えがあれば「有」、一切見たことがない、あるいは思い出せないものについては「無」といった具合です。

 

②「有」「無」マークに従ってテキストで知識の確認

問題には必ず解説がついているのでそちらを参照しても良いのですが、できればテキストで確認をしたいところです。ここでもインプットとアウトプットの連携を意識します。

 

「そんなことしていたら時間がかかりすぎて効率が悪いじゃないか、自分は過去問を10回くらいやりたいんだ!」という人が時々いるのですが、逆に過去問を10回もやる時間が一体どこにあるのか不思議で仕方ありません。それに、10回もやらないといけない時点でインプットがうまくできていない証拠です。

 

確かに知識を探し当てるのは、解説を読むのに比べると時間がかかってしまいます。しかし、そのために単元ごとの区切りを入れているのです。

 

細かく区切って学習できていれば、せいぜい20~30ページの中から該当の知識を見つければ済みますし、テキストを中心に勉強ができていれば、大体この辺にこの内容が書いてあるな、ということは意識できるはずです。

 

もちろん解説を読むな、という意味ではありませんし、どうしても時間が惜しいという人はそれでも構いませんが、テキストのどのあたりに書いてあったかを思い出しながらやり直しをすることは重要です。

 

余談ですが、解説や問題文にラインマーカーで線を引きまくるのはオススメしません。知識の強化という点でほとんど何の効果もないですし、無駄に時間がかかります。

 

また、参照すべき知識はできるだけ一か所、つまりテキストに集中させるべきです。試験直前になってテキストも分野別問題集も肢別問題集も全て復習できるでしょうか。おそらく難しいですよね。

 

繰り返しになりますが、テキストを中心にインプットを組み立て、過去問はそれを補強する素材として使います。見直すべき知識があっちにもこっちにもあるような勉強の仕方では非常に効率が悪いのでやめたほうが良いでしょう。

 

ちなみに私は、問題集は真っ白に近いですが、テキストには書き込みをしまくっています。それこそネットで見つけた細かい知識や、別の本で読んだ雑学的なものも書き込みました。

 

そうやってテキストだけをご本尊にして、知識があっちこっちに散らばらないよう心がけました。少し大げさに言えば、短期合格のコツ、と呼んでも良いかもしれません

 

 

 
3.テキストに載っていない知識の問題はどれくらい大事?

 

先ほどの有る無しチェックの際に、意外とテキストに載っていなくて過去問に出題されている知識もあることに気付かれるかと思います。

これについて、「過去問にしか載っていない知識はどれくらい大事ですか?」と聞かれたことがあったので、お答えしておきます。

 

まず、多くの受験生が過去問をやりこんでくることを考えると、最終的にはそういった知識も頭に入れておくべきですね。仮にほぼ同じ内容の問題や肢が出題されてしまった場合、物凄い後悔に襲われることになるからです。

 

そういう意味では、一度でも出題された問題はすべて重要、という言い方もできるでしょう。

 

しかし、優先順位について言えば少し違います。テキストと過去問の両方に載っている知識を身に付けるほうが圧倒的に優先順位は上です。つまり、テキストに載っていない知識については後回しにしてもOKだと思います。

 

行政書士試験を受験させる方には真面目な方が多いので、「え?そんなんでいいの?不安なんですけど…」と思われるかもしれませんが、暗記の最大のコツは、実はこの「後回し」なのです。

例えば、合格に必要な知識が10あったとします。この場合、初めから10を目指して勉強するのではなく、いったん6か7くらいを目標にして勉強し、7までバッチリになってから残りの3を埋めに行った方が、知識は遥かに早く定着するのです。

 

この後回し、いい意味での割り切りができないために、いつまでたっても合格できない人が本当に多いですが、非常にもったいないです。

 

そのため、いったんテキストの大枠をインプットし、それ以外は後回し、テキストが大体入ってきたら、過去問の無マークを身に着けていく、という流れが良いです。というかそれ以外ないと思うくらいです。

 
4.合格レベルの過去問定着度はどれくらいか

 

いろいろと書きましたが、結局どこまで出来るようになれば合格レベルなのかということも気になりますね。

時々、過去問は完璧にしておかないと受からない!くらいのテンションで語ってくる指導者がいるようですが、まったくそんなことはありません。

 

私の場合だと大体、繰り返し解いた問題だけを解いてみて正答率9割~9割5分くらいだったと思います。(悪問奇問除く)

 

また、肢ごとに見ると自信を持って判断できないものが全体の2割くらいはあったと記憶しています。ガチガチに固めたつもりの単元でもそんな感じでした。

 

だからみんなも大丈夫、というつもりはありませんが、「過去問を」勉強するのではなく、「過去問で」勉強するのだと捉えてください。何も考えずに過去問の問題と答えを覚えてしまえば達成度は10割に近づくのでしょうが、そんなことをしても仕方ありませんよね。

 

もちろん今年の問題が全て過去問から出題されるのであれば良いですが、そうではありません。テキストに載っている体系的な知識をいかにきちんと身に付け、理解するかが重要なのであって、過去問が解けるというのは結果の1つにすぎないわけですよね。

 

このブログではできるだけ受験生の方に寄り添った、リアルな内容をお届けしようと思っています。私なりの失敗談や、悩んだこと、息抜きに何をしたか等を赤裸々に語っています。

 

天才的な勉強法や目からウロコ的な内容は取り扱わないため地味なエントリーばかりですが、参考になったという方はほかのエントリーもご参考ください! 

それでは!