行政書士の出題科目・配点・合格点と得点戦略*行政書士-社会人の資格勉強法*
こんにちは、堂本です。
当たり前のことですが、行政書士試験を志すにあたって、出題科目やそれぞれの配点について知っておく必要があります。
特に行政書士試験は、重要な科目と捨て科目がわりとはっきりしているので、どの科目から勉強したらいいのか、何で何点くらいとったらいいの
それではまず、出題科目と配点をみていきましょう。
<法令科目>
・行政法 112点/300点 (37%)
・民法 176点/300点 (25%)
・憲法 128点/300点 1(9%)
・商法 120点/300点 1(7%)
・基礎法学 118点/300点 1(3%)
<一般知識科目>
・個人情報など 156点/300点 (19%)
<合格点>
180点/300点(60%)
ご覧の通り、科目によってかなり配点が違うのがわかりますね。行政法と民法が出題の大半をしめており、戦略は比較的立てやすいように見えますが、行政法と民法では目指すべき得点率にかなり違いがあります。
また、合格点は6割となっていますが、法律資格の中では低い方
行政書士試験はメリハリが何より大事なのです。完璧主義の方はともかく、心配性の方も、捨て科目に大量の時間を割いてしまう傾向にあります。
行政書士試験の合格率が低いのはこの得点戦略のミスも影響していると私は思っているので、本当にご注意下さい。
もう1つ理解しておかなければならないのが足切りについてです。
足切りとは、合格点に達していたとしても、この分野とこの分野で
俺には一般知識なんてねぇ!全部捨ててやるぜ!キリッ
とか言ってると不合格になってしまうので注意してください。
法令科目と書かれている出題244点のうち122点、一
さて、改めて得点戦略について見ていきましょう。
結局まずは行政法、次に民法やっとけ
もちろん概ねその通りなのですが、科目ごとに必要な得点戦略はかなり違っています。比較のため、まずは行政法から見ていきましょう。
①行政法の得点目標→7割(80点/112点)
行政法は配点が最も高いために最重要科目と思われがちですが、実は行政書士試験の中で最も勉強がしやすい科目です。というか、ここで苦戦しているようではだめです。
受験したことがある方はすでにご存じでしょうが、行政書士試験では意味不明な出題や、予測不可能な出題がかなり多いです。一方で行政法には、そのような出題はほとんどありません。
テキストの内容を勉強し、過去問の知識を身に付けることで十分対策は可能です。理解が難しい個所もなくはないですが、そこまで厄介ではありません。
ちなみに、記述式試験は1問だけ出題があり、112点中20点の配点なのですが、こちらの出題もある程度範囲が決まっています。そういう意味でも、行政法の勉強は行政書士試験の登竜門的な位置づけだと私は思っています。
②民法の得点目標→5.5割(42点/76点)
行政法に比べると目標が低く見えるかもしれませんが、半分以上コンスタントに取るのは結構難しいです。
まず択一式ですが、民法は行政法に比べると、知識の丸暗記で通用する問題が少ないです。論点や判例について学ぶ際にも、「どういう結論になるか」より「なぜそうなるか」をきちんと理解する必要があるということですが、行政書士試験で学習する範囲だけで民法の全体像を理解するのはなかなか難しいです。
そして特徴的なのは、民法の76点中40点が記述式の問題だということです。半分以上が記述式ということになりますね。
民法の記述式は、出題形式にはかなり特徴があるものの、行政法に比べるとどこから出るか予測がしにくいです。出題される2問のうち1問は、問題を見ても何を書いたらいいか、一切ひらめかない可能性もあります。
つまり、民法の記述式で最悪2問中1問が解けなかったとしても合格点に達することができる必要があるということです。
どうやって民法のレベルをそこまで上げるかということですが、民法をきちんとやるために、行政書士試験の勉強全体をきちんと見渡す必要があります。
例えば多くの受験生は、民法以外の科目に時間をかけすぎです。商法や一般知識など、対策がしづらいところにパワーをかけたり、比較的初期の段階で攻略すべき行政法で足踏みしてしまったりします。
私は行政書士試験にかかわらず、私法の理解をするにあたっては、民法が最も重要だと考えています。民法の学習がきちんとしていれば、他の法律の理解もスムーズになることは間違いありません。
話がそれてしまいましたが、コンスタントに民法で5.5割を獲得するためには、他の科目の勉強も含めたトータルコーディネートが必要だということですね。
③憲法の得点目標→約6.5割(18点/300点くらい)
高すぎる目標点に見えるかもしれませんが、実は憲法は隠れ得点分野です。合格のカギを握っているというと大げさですが、意外に大切な科目だということは知っておいてください。
(ちなみに、憲法の重要性について一切語らない指導者がいたらおそらくポンコツです。)
憲法と聞くと難しそうなイメージがありますが、有名な憲法判例の数は限られて
また、統治と呼ばれる範囲は完全暗記分野です。覚える量も行政法に比べると大したことはありません。
私としては、世間の受験生が商法と一般知識に使っている時間を少しカットして憲法に回すだけで、合格者が増えると思っています。
④基礎法学+商法→5割(14点/28点)
最も得点が読めないのが商法です。そして、基礎法学は毎年2問出題されるうちのどちらかの問題が「完全クイズ」問題です。知るかこんなの、って感じです。
正直ここは深入りしたくない分野ですね。商法会社法は法律家にとって常識的な分野なので、実務家としては知らないと恥をかきますが、合格してから改めて勉強するのが試験対策的には良いと思います。
逆に、商法・会社法は完全に捨てろという指導者がいますが、それはさすがに極端すぎます。きちんと過去問を研究していれば、勉強すべき分野は見えてきます。最低でも以下の3分野はやるべきです。
・総則商行為
・機関(委員会設置会社も含む)
・設立
特に総則商行為は勉強範囲が少ないためオススメです。
一方で機関はやりすぎるとかなりディープな世界に入ってしまうので、テキストに掲載されている範囲の勉強でよいかと思います。
本当は商業登記法の知識があると理解がしやすいのですが、行政書士試験の範囲ではないので気にしなくても良いと思います。実務で定款とかやりたい人は合格してから勉強すればよいと思います。
⑤一般知識→5割(28点/56点)
多くの受験生が不安に思うようですが、私の考えでは最もどうでもいい科目です。
たまに知ったかぶりで「政治経済と時事が重要だよ」とかいう人がいますが、それは少し前までの話です。今は政治分野からはほとんど出題されていません。出題が多いのは個人情報分野です。
ちなみに一昨年くらいまでは情報分野からの出題もありましたが、こちらもブームが去っています。
はっきり言って昨年の出題は史上最高に意味不明な出題が多く、ネットでもかなり叩かれています。まぁあまり真面目に対策しない方が良いでしょう。
出題分野について若干のネタバレがありますが、興味のある方はこちらもご参考ください。
資格商材は皆さんが不安に思う部分のコンテンツを厚くした方が儲かるので、直前対策に一般知識がたくさん入っている講座をよく見かけますが、直前期に一般知識なんてやっている場合じゃないです。
そして、なぜかあまり語られませんが、一般知識での最重要分野は文章理解です。唯一ほぼ確実に出題が見込まれ、形式も安定しています。
文章理解よりもニュース検定の本とか政治経済の公務員試験関連の書籍をお勧めする人が結構いますが、最近の試験傾向をまったく無視した意見です。
以下に私なりの戦略のまとめを載せておきます。他の法律資格を経験してい
行政法 80点(7割)
民法 42点(5.5割)
憲法 18点(7割)
商法・基礎法学 14点(5割)
一般知識 28点(5割)
合計 182点(合格点180点)
いかがだったでしょうか。
かなりざっくりまとめてありますが、実際は多肢択一式試験と5肢
その辺は後のエントリーで紹介しますが、今回は全体像をご理解頂