行政書士試験 一般知識の重要性と対策*社会人の資格勉強法*
みなさんこんにちは、堂本です。
今日は平成30年の出題以降、これまで以上に警戒されている一般知識分野についてお話ししたいと思います。
一般知識といえば、法令科目に比べてどう対策していいか分からなかったり、足切り等に関する不安が大きかったりしますよね。
他にも不安要素は色々あるかと思いますが、私が思うのは以下の3点です。
①ここ何年かで大きく出題分野が変わっている
②効果的な対
③そもそも変な出題が多い
では実際、合格者はどんな勉強をしているのか、行政書士試験で求められる一般知識のレベルはどれくらいなのか、そしてその対策について見ていきたいと思います。
1. 過去3年の出題傾向を分析
2. ご存知でしょうが、足切りはたった4割です。
3. 本を買いまくるとかえって逆効果
4. 賢い対策の仕方
ごちゃごちゃ書いたせいで無駄に長くなったので初めに言っておきます。
一言で言えばそれほど心配いりません。一番重要なのは法令科目だという原則は変わりないですし、受験生が不合格になる原因の圧倒的多数は法令科目です。一般知識のせいで何年も不合格になっているという人は聞いたことがありません。
<以下本題 >
たまに、あまり中身をご存じない方が「一般知識って政治・経済分野が中心だよね」とおっしゃるのを聞きますが、これは致命的な誤りです。もし政治経済分野の対策を重点的に説いている人がいたら、その人は現在の本試験の状況をよく分かっていない人と見て間違いないです。
ちなみに、一般知識分野はここ何年かで出題の移り変わりが激しく、もはや政治・経済分野が中心とは言いがたい状況となっています。あまり古い情報を鵜呑みにすると対策を間違えてしまうので注意してください。
では現在の出題はどの分野が中心なのか、また何をすればいいのかということですよね。簡単に、3年前の出題から遡って見ていきたいと思います。
分野 | 出題数 |
---|---|
政治 | 3問 |
経済 | 3問 |
情報 | 3問 |
文章理解 | 3問 |
歴史 | 1問 |
公文書保管 | 1問 |
この頃はまだ対策のしようがあった頃かもしれません。イメージ的には公務員試験の出題と性格が似たところがあったように思います。
この傾向はそれなりに長く続いたので、かつての行政書士試験を知っている方はおそらくこの頃のイメージが強いでしょう。そのせいか、行政書士試験の一般知識=政治・経済という風に考える人がいまだに多いように思います。
確かにこの頃は、対策として政治・経済や歴史についてまとまった本を一冊かってやっておけばまぁ大丈夫かな?という時代でした。
しかし、先ほどお話ししたように、ここから出題分野がけっこう変わります。次の年を見てみましょう。
分野 | 出題数 |
---|---|
文章理解 | 3問 |
政治 | 2問 |
情報 | 2問 |
農業 | 1問 |
度量衡 | 1問 |
知的財産権 | 1問 |
消費者保護 | 1問 |
個人情報保護 | 1問 |
時事? | 1問 |
政治・経済や歴史の問題がガッツリ減らされ、文学や度量衡というよく分からない出題がされるようになりました。 当時の受験生は度肝を抜かれたことでしょう。
しかもこの年の文学の問題は、はっきり言って試験委員の好みではないかというような出題がされています。私が受験生なら腹を立てていますね。
もともとは一般知識分野を軽く見る受験生に対して、予備校の指導者が「300点のうちの56点が一般知識分野なのでバカにできないぞ」と注意するくらいの風潮だったのですが、この年初めて受験した人は「一般知識って怖い!」と思ったのではないでしょうか。
そして直近の試験では、この傾向に拍車がかかります。
分野 | 出題数 |
---|---|
文章理解 | 3問 |
個人情報 | 3問 |
士業資格と所管省庁 | 1問 |
墓地と死体 | 1問 |
防犯カメラ | 1問 |
性風俗 | 1問 |
その他の分野 | 3問 |
もう意味が分からないですねw
試験委員は何を考えたのでしょうか。
この年の出題はネットでもかなり批判があり、過去の合格者は苦笑いしていました。
一方で各予備校の試験の講評を見てみると、来年の対策については、今後は受験生も行政書士実務について学ぶべきだとか、時事の本を買って読めだとか、色々なことを言う人が出てきました。
しかし、少し落ち着いて見てみると、平成30年の合格率は12.7%と例年並みです。
一般知識の出題が変化したのは確かですが、それが原因で試験そのものが難化したと言えるでしょうか。
例えば、法令科目だけでも余裕で合格点に到達していたが、一般知識で足切りにあってしまった、という不幸な人が何百人もいるかということです。ここからは少し気持ちを落ち着けて、具体的に、得点戦略についてお話しします。
平成30年の出題では、例年通り文章理解が3問出題されています。傾向がこれだけ大きく変わっている中で文章理解だけが据え置きなのです。ここにぜひ注目してください。
私の考えでは、一般知識の対策でもっとも重要なのはこの文章理解です。他の分野の出題予想が難しくなった今、何が何問、どのような形式で出題されるかまで分かっているのですから、やらない理由がありません。
例年国語に苦手意識があるために、文章理解を敬遠して政治・経済ばかり勉強している人がちらほらいましたが、明らかな間違いです。国語が苦手という人も練習次第で確実に得点
では、仮に文章理解を2問正解したとしま
残り12問は全部適当に選んでも、確率的に2問は正解できますか
少し乱暴なようですが、一般知識の対策というのは、この残りの2問をきちんと取るための対策さえ出来ていればよいのです。
また、ここ3年で出題に移り変わりがあるものの、前年に出題された分野のどこかから必ず出題されています。一昨年であれば政治・経済、昨年であれば個人情報保護分野が、2年連続で必ず出題されています。すべての出題が一新されることはありませんでした。
つまり、一般知識の対策としては文章理解と、前年出題実績のある分野に絞って良いでしょう。
あるいはこれまで出題のメインだった政治・経済分野もやってもいいかもしれませんが、足切り回避に最低限必要な程度にとどめるべきです。
予備校のアトバイスでは「政治・経済と個人情報と○○と××と△△を幅広くやろう!あとニュース検定の問題集も買おうね!」と無茶苦茶なことを言っています。そんな暇な受験生がどこにいるのでしょうか。
話がそれましたが、私の答えははっきりしています。まず文章理解です。法令科目の勉強時間を大幅に削るくらいなら文章理解だけでもいいくらいです。
ただ、みなさん過去問には触れられるでしょうから、昨年の出題分野をおさらいするくらいは是非勉強してください。もちろんこれもおさらいする程度です。一般知識は16問の内のたった6問で良いことを忘れないでください。
一般知識対策については文章理解の話よりも、政治経済だとか時事だとか個人情報分野だとかの話の方がよく聞こえてきますね。出題がはっきりしている分野よりも正体不明の敵の方を過剰に警戒するのは試験対策的に間違いだと気づいてほしいものです。
ただ、指導者でもぶれまくっている人が多いですね、これからはIT
はっきりしていることといえば、完璧な出題予想は不可能とい
これまでは政治・経済・歴史分野が予想されていたので、そのため
本 屋 か お 前 ら
さっきも言いましたが、必要な対策は上積みするせいぜい1~2問
結局皆さん、心の安定のために安易に本を買っていませんか?勝負
不安だからといって手を広げまくるのはやめましょう。
とはいいつつ、さすがに運任せの部分がおおいのは不安ですよね。
グダグダ書いてしまったのでここでまとめておきます。
①文章理解
この分野だけはずっと変わっていません。確実に対策をしましょう
私の感覚では、過去問5年分程度で十分かと思いますが、LECさんのウォーク問を使えば10年分解くことができるので、不安な方はオススメです。
②法律分野
H30なら個人情報保護法、その他にも公文書保管や知的財産権に
こんなのどうやって対策すんの?と思われるでしょうが、ビジネス実務法務検定の教科書がわりと網羅的に書いてくれています。
ただし、市販の行政書士用のテキストを使ってもある程度のことは書いていますのでそれで十分です。ほとんどの部分が無駄になってしまうような本の買い方はしない方が良いです。どうしてもなにか対策しないと不安だという方は用意してもいいかもしれません。
③旬の話題
例えばH30のGDPRは、十分性認定との絡みで以前から注目されている話題でした。2016年にはIoTやAIが注目されはじめていましたし、そのあとは改正との絡みで個人情報保護法が話題になっていました。こういう旬の話題だけならギリギリ予想できるかもしれません。
ただし、こういった問題を追うためにニュースを見て、不測のある知識について調べて、ニュース検定の本を買って、などしているときりがありません。
予備校の講評には「あれは出題されると思ったよ」的なコメントが書いてありますが、あとになってからならなんとでも言えます。
ただし、ぶっちゃけ何を言われても不安という方は、少し悔しいですが本当に予備校の答練か模試を受けるのが良いです。それなりに時事系は充実していると思います。
熱くなって色々書きましたが、必要以上に対策することも、不安に思うこともないですよという私の思いが伝わっていれば幸いです。
このブログでは、行政書士試験の勉強法全般について色々とご紹介しています。
よければこちらのエントリーも参考にしてください。