行政書士試験のオススメ過去問。肢別・分野別・年度別過去問集の使い分け
みなさんこんにちは、堂本です。
よく言われることとして、行政書士試験は過去問を繰り返すだけ(
私はこれについては明確に否定しています。
(以下参考記事)
しかし、過去問の学習が行政書士試験の学習や合格に不可欠であることは事実です。
じゃあ具体的に、過去問をどう進めていけばいいのか。オススメの過去問集はあるのかについてお話していきます。
1. 過去問集は大きく分けて3種類ある
2. 肢別過去問集は知識強化の一冊
3. 分野別過去問は最重要!必携の一冊!
4. 年度別過去問は仕上げの一冊!
5. 過去問を始めるタイミング
さて、知識の定着やアウトプットを過去問を中心にやりたいという人は絶対に持っておくべきなのが分野別問題集です。
各単元ごとに問題が整理されており、内容が似通ったり被った問題が順に配置されているのが特徴です。バラバラの分野を勉強するより記憶の効率が良く、多くの受験生の方が分野別過去問集を中心に使われていると思います。
ところで、合格には肢別問題集のみでよく、分野別問題集は不要という方もおられるようですが、私はむしろ分野別問題集は外せないと思っています。
知識の定着という意味では肢別問題集の方が効率が良い面もあると思うのですが、行政書士試験に合格するための実践力は肢別問題集では絶対に身につかないと思うからです。
過去問を解かれた方はわかると思うのですが、五肢択一式試験で5つの肢の正誤をすべて判断できることはまずありません。確実に判断できるものが2つあれば十分正解できますし、確実に判断できるものが1つしかなくても、そのほかのあらゆるヒントをフル活用して正解をひねり出さなければいけない場面もあります。
そういった修羅場の潜り抜け方は、肢別問題集を解いているだけでは身に付きません。お金に余裕があって、答練を受けまくれる人は別ですが、それ以外の方にとって分野別問題集は必携です。
(五肢択一式のオススメの解き方はこちらで紹介していますが、実際に解いてみてから読まれることをお勧めします)
前置きが長くなりましたが、分野別問題集にもいくつか種類があるので、ご紹介していきます。
①基本問題集 LECさんの出る順シリーズ
過去問とオリジナル問題で200問を厳選した問題集で、私が使っていたのも似たようなやつです。ちなみに、紹介しているのはLECさんのものですが、Wセミナーさんにも同じような問題集があります。
正直ボリューム的に心配だという方も多いと思います。私は別の法律資格試験である程度試験慣れしていたのであえて少ないもので勉強しましたが、普通にボリュームがある方が良いという人は買わなくてもよいでしょう。
結構人気です。問題数は350問くらいで、①で紹介した基本問題集の倍近いボリュームがあります。テキストともリンクしており、伊藤塾さんのうかるシリーズファンなら持っておいて損はない感じです。
収録は確か5、6年分だったと思うのですが、記述式試験だけはボリュームが多く、10年分相当あるいはそれ以上の収録数があるのも魅力です。
③LECさん出る順シリーズ(過去10年分)
分野別問題集の中で収録数は一番多いです。なんと実に過去10年分の出題です。
私としても一番のオススメはこれですが、ウォーク問というにはふさわしくない分厚さなので、持ち歩くのに若干不便かなという気はします。
④LECさんの出る順シリーズ(多肢選択式、記述式)問題集
記述式や多肢選択式の問題数が多い方がいいという方は、専門の問題集もあるので、ついでにご紹介しています。ちなみにこちらは全問オリジナル問題だそうです。たくさん練習したいという方は買ってみても良いと思います。
最後に、年度別問題集です。世の中に出回っているのは5年分収録の物がおおいです。というかそれ以外見たことがないですね。
過去問集としての重要度は一番低いように思いますが、時間を図って練習するには最適な一冊です。どちらかというとリハーサルとか、仕上げに使うのが良いと思います。
(個人的に予備校の模試があまり好きではないのでこちらをお勧めしていますが、仕上げに模試のパックを申し込んでいるのであれば買わなくても良いかもしれません)
ちなみに私が持っていたちゃんとした過去問集はこの年度別問題集だけでした。それも一か月前くらいにさらさらっと解いただけですが、私の勉強法は若干特殊だったかと思うので、皆さんにとっては分野別問題集は必携、仕上げの一冊に年度別問題集があればいいな、くらいに考えておいてください。
少し話が変わって、過去問の使い方についてお話します。過去問を始めるタイミングは、軽いインプット
大体私の感覚では、テキストを2周したあたりがいいのではないか
時々指導者の方でも、テキストをざっと読んだらすぐに過去問をやるように言う人がいるのですが、間違いの元なので絶対にやめましょう。
繰り返しお伝えしていますが、行政書士試験では意識的なインプットを繰り返すことが絶対に必要です。学習の初期段階からインプットとアウトプットがごちゃごちゃになってしまうような変な癖はつけない方がよいです。
繰り返しになりますが、最低でもテキストを2周させてから取り組むべきです。具体的には以下のような流れがお勧めです。
ちなみに、テキストの読み方は以下を参考にしてください。
では進め方です。
①まずテキストを初めから終わりまで一周させる。
②テキストの二周目が始まったら、今度は単元ごとに区切って読んでいく。(民法の総則だけ、とか)
③各単元を読み終わったら、単元チェックテストを受ける感覚で過去問を解く
④次の単元に進む
これで一通り全範囲学習するころには、ざっくりとした知識が頭に残るようになり、全体像がつかめるようになっていると思います。ここまでがうまくいけば学習のとっかかりは成功と言えるでしょう。
ただし、あくまでもスタート地点に立った、くらいの達成度です。本当に勉強はここからが勝負だということを知っておいてください。
過去問を解くうえでの一番の注意は、極端な過去問特化型の勉強に陥らないことです。何度も同じことを言って申し訳ありませんが、漫然と過去問を繰り返していればそのうち受かるだろうというのは甘い考えです。
それでも頑なに効果を信じる方を無理に止めるつもりはありません
行政書士試験は微妙な違いが多く出題される試験ですが、その違い
ただ単に過去問をグルグル回すだけになってしまえば、おそらく雰囲気や場所で答えを覚えてしまうことが増えてきます。仮に模試などで見たことのある問題に遭遇しても、「あれ?前解いた問題では○だったはず
こうなってしまうと永遠に次のレベルには進めません。
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今日は過去問集の種類と簡単な使い方、取り組む時期などについてお話ししました。
・過去問学習は重要ではあるが、意識的なインプットとセットで進めること
・何を買っていいかわからない方はとりあえず分野別問題集を持っておくこと
主にこの2点についてお話ししました。
次回は詳しい過去問の進め方についてお話ししたいと思います。
それではまたっ!